もち麦の水溶性食物繊維の効果とは?

この記事の所要時間: 251

もち麦の健康効果は、水溶性食物繊維にあり

2016年頃から、健康食品の一つとして注目を浴びているのが、大麦の一種である「もち麦」です。

主食のご飯に3割ほど混ぜるだけで、簡単にダイエット効果があり、高血圧や動脈硬化の予防が期待できることから、話題になりました。

もち麦の特徴

大麦の種類

大麦には「もち性」と「うるち性」の2種類があります。大麦には食物繊維が豊富で、日本食品標準成分表<七訂>によると、精白米の20倍含まれています!(可食部100gあたり:大麦押麦 9.6gに対し精白米 0.5g)

さらに、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが良いというメリットがあります。食物繊維以外にも、鉄は白米の1.2〜5倍、カルシウムは3〜4倍含まれます。

「玄米も食物繊維って多いんじゃないの?」

と思った方はいませんでしたか?私も最初そう思ったので日本食品標準成分表<七訂>で100gあたりの栄養素を比較してみたところ、

水溶性 不溶性 食物繊維総量 カルシウム
大麦押麦 6.0 3.6 9.6 1.0 17
玄米 0.7 2.3 3.0 2.1 9
精白米 0.5 0.5 0.2〜0.8 5

食物繊維に関しては、大麦の方が豊富でした!特に水溶性が豊富です。

鉄は玄米、カルシウムは大麦に軍配が上がりました。ちなみに他のミネラル群はどちらも豊富で、ビタミン群は玄米の方が少し多めでした。しかし、これだけでも大麦の栄養素の豊富さが伺えますね!

普段の白米ご飯に3割ほど混ぜるだけでも効果があると言います。それなら味もあまり気にせず試せるのではないでしょうか??

水溶性食物繊維とは

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。それぞれ働きが異なるため、バランスの良い摂取が必要です。水溶性食物繊維は腸内細菌に分解され、生活習慣病や肥満、動脈硬化の予防、ダイエット、アンチエイジングになります。

もち麦に含まれる水溶性食物繊維のβグルカンには、血中コレステロールの低下、腸を整える作用もあります。

腸内フローラとは

水溶性食物繊維が善玉菌により分解され短鎖脂肪酸が作られると、善玉菌のエネルギー源となり免疫力や、栄養の吸収を促進します。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸をしっかり吸収できると代謝が上がり、健康的にダイエットにも繋がります。

脚気を撲滅した「海軍カレー」

東京慈恵会医科大学の創設者で、海軍軍人で医学博士でもある高木兼寛氏は、日本の疫学の父と呼ばれています。

日露戦争のさなか、脚気が流行して、海軍内では病死者が続出していました。そこで海軍軍医・高木兼寛が大麦を大麦を使った海軍カレーを発案。すると、脚気が撲滅。高木氏は「麦飯男爵」と呼ばれるようになりました。のちにビタミンが発見され、欧米では高木氏に対する評価は高く、

「ビタミンの父」とも呼ばれます。

大麦を用いた食事は、慈恵大学病院の病院食に承継されているそうです。

参照リンク

wikipedia 高木兼寛

日本食品標準成分表<七訂>

東洋経済オンライン(2016/12/18)

もち麦の里 食べて・知って・巡って(兵庫県中播磨県民局)